八重山諸島

5月28日~6月2日にかけて沖縄県の石垣島、西表島においてきのこの観察を行いました。

5月28日

バンナ公園西口(石垣島)

市内から自転車で40分ほど。強い日差しと高い湿度、温帯とは異なる植生に出迎えられて会った事の無いきのこへの期待が膨らみます(1)。

ギランイヌビワ(1)

散策路に入ってすぐ、オキナワウラジロガシの根元に今回見たかったきのこのひとつ、フチドリタマゴタケを見つけました(2)。

フチドリタマゴタケ  Amanita rubromargimata

フチドリタマゴタケ Amanita rubromargimata(2)

その後、アセタケ属老菌等(3)(4)を見つけた後、

アセタケ属不明種(3)

不明種(4)

倒木の虚からコガネキヌカラカサタケが生えているのを発見(5)。

コガネキヌカラカサタケ Leucocopurinus bimbaumii

コガネキヌカラカサタケ Leucocopurinus bimbaumii(5)

八重山気象台の情報によると、数日前に少量の降雨があったのみ、という事で比較的乾燥しており、散策路から展望台へ続く川沿いの道にルートを変え、再び散策。

いくつかイグチ、ベニタケ類は生えていましたが、虫による食害が酷く、同定できない物が大半でした(6)(7)。

ニガイグチ属不明種(6)

チチタケ属不明種(7)

川から離れ、しばらく進んだところで、発光性きのこのシロヒカリタケを発見(8)。

シロヒカリタケ Neonothopanus nambi(8)

さらにその近くの腐植上にカエンオチバタケ(9)も発見できました。

カエンオチバタケ Marasmius opulentus(9)

帰路、アワタケ(10)や、クロアザアワタケを見つけることが出来、まずまずの成果がありました。

アワタケ Xerocomus subtomentosus(10)

5月29日

バンナ公園東口(石垣島)

雨は無く、さらに乾燥が進んでいるようですが、北口への遊歩道を歩いていきます。

落枝の重なった上や木のくぼみなど、高いところにキクバナイグチが発生しているのが目立ちました(11)。

キクバナイグチ Boletellus floriformis

キクバナイグチ Boletellus floriformis(11)

キノボリイグチなどの形質選択もこんなふうになされていったのかな?

そのほかにも、このようなきのこが(12)。

不明

不明種(12)

傘が繊維状だったため、Inocybeの仲間かと思いましたが、柄の質感、ヒダの色はEntolomaのようで、変色性があり、胞子は平滑、と同定の難しいきのこもありました。

北口周辺では、カレバキツネタケ(13)などのほか、

カレバキツネタケ Laccaria vinaceoavellanea

カレバキツネタケ Laccaria vinaceoavellanea(13)

28日同様フチドリタマゴタケ(14)。

フチドリタマゴタケ

フチドリタマゴタケ(14)

その近くに幼菌もありました(15)。

フチドリタマゴタケ幼菌

フチドリタマゴタケ幼菌(15)

期待していた南方系のニガイグチの仲間が見られなかったのは残念ですが、乾燥のなかで多くの種類を見ることが出来ました。

5月29日

西表島

こちらは別行動。一日遅れで5月28日に西表島に入り、この日は上原にある琉球大学の実験林にお邪魔しました。

リュウキュウマツやオキナワウラジロガシ、スダジイなどが生える林内で、チチタケ(16)、キチャハツ、カバイロツルタケ、ベニナギナタタケ(17)などが観察できました。

チチタケ(16)

チチタケ(16)

ベニナギナタタケ(17)

ベニナギナタタケ(17)

また、地中の朽木からは柄がビロード状のカワキタケの仲間と思われるきのこも発生していました(18)。

カワキタケ属?(18)

カワキタケ属?(18)

日没後も生物の観察を続け、宿に戻ると、机の上にきのこが転がっていました(19)。

Termitomyces sp.

Termitomyces sp. (19)

オオシロアリタケ属の一種のきのこです。宿の裏庭に生えていたとのこと。

今回の旅行では、シロアリが栽培するキノコを探すことを目標の一つにしていましたが、案外あっさりと見つけることができました。

翌日、きのこが生えていたという場所を見に行くと、一本だけ健全な個体が残っていました(20)。

Termitomyces sp. (20)

Termitomyces sp. (20)

このきのこの半分は標本に、もう半分は試食用となりました。

5月31日

石垣島

この日は先に石垣入りしていたメンバーと合流し、バンナ公園および於茂登岳にて観察を行いました。

バンナ公園は乾燥が進んでいましたが、テングタケ属のきのこ(21)(22)やベニタケ属のきのこ、シロヒカリタケ(23)などが観察できました。

Amanita sp. (21)

Amanita sp. (21)

s-DSC_3675

Amanita sp. (22)

シロヒカリタケ(23)

シロヒカリタケ(23)

場所を変え向かった於茂登岳では、オキナワウラジロガシとスダジいの森が広がっており、沢沿いを歩いたこともあって比較的多くのきのこを見ることができました(24)~(26)。

オキナクサハツ(24)

オキナクサハツ(24)

日没後、再びバンナ公園に向かい、シロヒカリタケの発光を見に行きました(27)。

シロヒカリタケ発光(27)

シロヒカリタケ発光(27)

目が慣れてくると、シロヒカリタケだけでなく、一帯の落葉が光を放っていることに気が付きます(28)。

発光する落葉(28)

発光する落葉(28)

きのこと菌糸が光り、さらにはホタルも舞う、美しい夜の森を見ることができました。

6月1日

米原(石垣島)

この日は、桴海於茂登岳の麓のヤエヤマヤシを交えた林できのこを探します。

麓から見ても斜面にヤエヤマヤシが点在しているのがよくわかります(29)。

桴海於茂登岳(30)

桴海於茂登岳(29)

藪におおわれた登山口から森の中に入り、道を見失いそうになりながらきのこを探しましたが、見つかったのはシロヒカリタケやウラベニガサ属のきのこ(30)などで、大きな収穫はなく引き揚げることとなりました。

Pluteus sp. (30)

Pluteus sp. (30)

6月2日

白浜~干立(西表島)

石垣島で降雨が無く、きのこの発生が期待しにくくなってきたため、一縷の望みをかけて、西表北部、白浜から干立にかけてを途中の林道に寄りながら散策することにしました。

オキナクサハツなどベニタケの仲間にまじってヒダウロコタケ(31)や、ホソツクシタケの仲間(32)を見ることが出来ました。

ヒダウロコタケ Cymatoderma caperatum

ヒダウロコタケ Cymatoderma caperatum(31)

ホソツクシタケの仲間

ホソツクシタケの仲間(32)

今回の旅行は、雨に恵まれずコンディションは良くありませんでしたが、そのなかでもフチドリタマゴタケやオオシロアリタケ属の一種、シロヒカリタケといった八重山諸島ならではのきのこを見ることができました。

(文責/m.s., m.h.)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中