宝ヶ池

6月21日、京都市街の北の方に位置する宝ヶ池で観察会を行いました。

ここは適度に湿度が保たれていることもあってきのこが出やすく、きのこじきでも大変お世話になっている場所です。

観察会当日の未明には激しい雷雨が京都市を襲いましたが、その雨はちょうど観察会が始まるくらいの時間に止み、観察会は嘘のような晴れ間の中で進みました。

 

池の周りを歩き始めると、さっそくイボテングタケや、カブトムシ臭のするニオイコベニタケに目を引かれます。

幸先のいいスタートだなと思っていると、さらに数歩ほど歩いたところにはもの珍しい光景が広がっていました。

切通しからクモタケがたくさん伸びていたのです(1)。

2015/06/21 宝ヶ池 クモタケ Nomuraea atypicola

クモタケ (1)

参加者の方に掘り起こしてもらい、地中に埋もれた構造のなかに、クモタケにとりつかれたクモの足が見えるのを確認しました。

今回観察できたクモタケの子実体の多くはなかなか大きく、見る者を圧倒していました。

 

池の向こう側に回ると、ツチナメコやヒメコナカブリツルタケに混じり、斜面にアカハツ(2)が姿を見せました。

2015/06/21 宝ヶ池 アカハツ Lactarius akahatsu

アカハツ (2)

きのこじきでは秋によく採集され、食べられているきのこですが、この時期にも生えています。

 

池の周りに戻り、アセタケの仲間を観察したりしながら歩いていると、さらなるきのこ界の大物アカヤマドリが(3)。

2015/06/21 宝ヶ池 アカヤマドリ Leccinum extremiorientale

アカヤマドリ (3)

図鑑に「こっくりとしたうま味が出る」と評される、味の強い食用のきのこです。

 

湿ったコースを進めば、見つかるのはアカハツやアカヤマドリのような、きのこらしいきのこたちだけではありません。

見た目に美しいウラムラサキ(4)や可愛いシロスズメノワン(5)が沿道を賑わせています。

2015/06/21 宝ヶ池 ウラムラサキ Laccaria amethystina

ウラムラサキ (4)

2015/06/21 宝ヶ池 シロスズメノワン Humaria hemisphaerica

シロスズメノワン (5)

参加者のみなさんには、ルーペを使ってシロスズメノワンがもつ褐色の剛毛を確認してもらいました。

 

ここまでで多くのきのこを見てきて、すでに幸せな気持ちになっていたところに、ついにこの日メンバーを最も盛り上げたきのこが現れました。

低地でも採れるおいしい食用きのこの代表格、ヤマドリタケモドキです(6)。

2015/06/21 宝ヶ池 ヤマドリタケモドキ Boletus reticulatus

ヤマドリタケモドキ (6)

柄に走る特徴的な網目模様などから、初心者にも比較的分かりやすいきのこと言えるのではないでしょうか。

立派な成菌だったこともあり、みんなでたくさん写真を撮りました。

 

ここまで来ると、皆はベニタケの仲間やアセタケの仲間はもう見飽きたのか目もくれず、さらなるきのこを探します。

こうしてカバイロツルタケ(7)やコウジタケ(8)がお縄を頂戴してしまいました。

2015/06/21 宝ヶ池 カバイロツルタケ Amanita fulva

カバイロツルタケ (7)

2015/06/21 宝ヶ池 コウジタケ Boletus fraternus

コウジタケ (8)

コウジタケには、管孔の青変性や独特の甘い匂いがあります。

爪で管孔を傷つけ、新入生のみなさんにこの青変性や匂いを確認してもらいました。

 

ここで一旦休憩し、またしばらくして歩きだすと、池の周囲でヌメリイグチチチアワタケ(9)が勢力を拡大しようとしているのに気づかされました。

2015/06/21 宝ヶ池 チチアワタケ Suillus granulatus

チチアワタケ (9)

この2種もアカハツと同じく、秋にもよく目にするきのこです。

この機会に、2種の違いやチチアワタケの分泌する乳液を参加者の方に確認してもらいました。

 

池を一周したあとは、公園内の丘にある遊歩道を巡回しました。

登り口ではノボリリュウタケの仲間(10)が出迎えてくれます。

またその道中では、雨のおかげか元気になったキクラゲ(11)やシロキクラゲ(12)が落枝や切り株を占拠していました。

2015/06/21 宝ヶ池 キクラゲ Auricularia auricula-judae

キクラゲ (11)

2015/06/21 宝ヶ池 シロキクラゲ Tremella fuciformis

シロキクラゲ (12)

こうして野外で実際に見るキクラゲや、白く美しいシロキクラゲにみなさんも興味を持ってくれたようです。

 

このほか、遊歩道ではチチタケの仲間であるクロチチダマシも見つかり、ひだを傷つけたときに溢れ出る乳液には新入生の方たちも驚きを隠し切れていませんでした。

 

このようにして、今回の観察会は非常に多くのきのこに恵まれて幕を下ろすことができました。

新入生のみなさんにも、きのこの世界の不思議さや多様さを感じ取ってもらえたと思います。

今年もこの調子できのこが豊作であるとよいのですが……。

(文/h.a., 写真/m.h.)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中