伏見稲荷

7月12日、猛暑日にならんとする強烈な気候の中で、伏見稲荷大社のある稲荷山にてきのこを探しました(1)。

伏見稲荷

伏見稲荷 (1)

山を登り始めたときには、きっと誰も予想していなかったでしょう。

この日の採集リストが60種を上回ることを……。

 

登りはじめから、イロガワリの仲間やビロードツエタケ、クロアシボソノボリリュウタケ、フクロツルタケ(2)、オニイグチモドキ(3)など、多様なきのこがそれと意識せずとも視界に入ってきます。

2015/07/12 稲荷山 フクロツルタケ

フクロツルタケ (2)

2015/07/12 稲荷山 オニイグチ

オニイグチモドキ (3)

移動の合間には、セミの羽化シーンを目撃するという貴重な体験も。

 

稲荷山を上まで登らずとも、千本鳥居の脇をうろうろするだけできのこは山のように生えています。

イグチに負けるなとばかりに、今度はカレバハツ(4)やヒビワレシロハツ(5)、またウスムラサキハツ(6)などといったベニタケの仲間が至る所で存在を誇示しており、足の踏み場を選ばせてくれません。

2015/07/12 稲荷山 カレバハツ

カレバハツ (4)

2015/07/12 稲荷山 ヒビワレシロハツ

ヒビワレシロハツ (5)

2015/07/12 稲荷山 Russula sp.

ウスムラサキハツ (6)

また、そんなベニタケの仲間たちに囲まれながら、毎年この時期に現れる青いアンズタケの仲間が今年も姿を見せてくれました(7)。

2015/07/12 稲荷山 アンズタケ属の一種

アンズタケ属の一種 (7)

このアンズタケの仲間は断面が青っぽく、肉質もしっかりした感じがあるのが特徴です。

 

変わったアンズタケにメンバーが湧いたかと思えば、その盛り上がりはすぐさま別のきのこを呼びます。

本当に場所を少し移すだけで、初見のきのこが顔を出しているのです。

次に見つかったのはコゲチャイロガワリ(8)(9)でした。

2015/07/12 稲荷山 コゲチャイロガワリ

コゲチャイロガワリ (8)

2015/07/12 稲荷山 コゲチャイロガワリ

コゲチャイロガワリ断面 (9)

こげ茶色の管孔を指で触ったところをよく見ると、藍色に変色しています。

切断面も写真の通りで、まさに「イロガワリ」。

 

参道の向こう側に移動しても、タマゴテングタケモドキ(10)、カワムラフウセンタケ(11)が相次いで発見され、きのこの盛況はとどまるところを知りません。

2015/07/12 稲荷山 タマゴテングタケモドキ

タマゴテングタケモドキ (10)

2015/07/12 稲荷山 カワムラフウセンタケ

カワムラフウセンタケ (11)

タマゴテングタケモドキは、テングタケ属のきのこの中では珍しくひだがピンク色っぽくなるので「アカハテングタケ」という別名もあります。

また、カワムラフウセンタケはフウセンタケ属の代表的な種で、美しい紫色が目を引きます。

 

この後はクロチチダマシ、そして残念ながらカビの生えたムラサキヤマドリタケを見つけてようやく前半の部は終了。

探索開始から約2時間半、きのこを見る分には満腹気味でしたが、お昼ご飯にすることにしました。

 

ここまでは脇道でばかりきのこを探してきたため、次は参道沿いを狙います。

すると、参道との合流地点にいきなりイロガワリホコリタケが(12)。

2015/07/12 稲荷山 イロガワリホコリタケ

イロガワリホコリタケ (12)

このきのこはイロガワリ「ホコリタケ」という名前ですが実際はいわゆるノウタケの一種で、触ると黄色くなるなどの特徴があります。

 

クロハツやキクバナイグチなどを横目に参道を四ツ辻まで登り終えた後、そろそろ戻るかどうかという話も出ましたが、稲荷山の頂上を見たことがない人が多かったこともあり、疲労度と相談しながら一の峰まで登ることにしました。

そうした中で石段を登る際にも、テングタケダマシ(13)やヤシャイグチ(14)などといった様々なきのこが目を楽しませてくれました。

2015/07/12 稲荷山 テングタケダマシ

テングタケダマシ (13)

2015/07/12 稲荷山 ヤシャイグチ

ヤシャイグチ (14)

ヤシャイグチは、網目の粗い柄や中央部の突出した傘が特徴的なイグチです。

 

そんな石段の周りのきのこたちの中でも、きのこじきに議論を巻き起こしたのがとあるテングタケ属の一種(15)(16)。

近年、このきのこに対してティラミステングタケ (仮称) という名前がつけられているそうです。

2015/07/12 稲荷山 ティラミステングタケ (仮称)

テングタケ属の一種 (15)

2015/07/12 稲荷山 ティラミステングタケ (仮称)?

テングタケ属の一種 (16)

このきのこが果たしていわゆる「ティラミステングタケ (仮称)」なのか、それともただのコナカブリテングタケなのか、しばし議論になりました。

 

最初は石段を元気に駆け上がる方もいらっしゃいましたが、猛暑にあてられて皆さんが疲れてきたところで、ようやく一の峰に登頂。

見晴らしの悪い山頂で、少し休憩をはさみました。

 

再び山を下り始めると、脇道にて巨大なきのこ、オオシロカラカサタケを発見しました(17)(18)。

2015/07/12 稲荷山 オオシロカラカサタケ

オオシロカラカサタケ (17)

2015/07/12 稲荷山 オオシロカラカサタケ

オオシロカラカサタケ裏面 (18)

大型の猛毒きのこで、濃い青緑色に染まるひだが奇異に映ります。

 

さらに下ると、大きなイボテングタケの群生も真打ち登場とばかりに姿を見せ、テングタケ属のきのこだけでこの日はお腹いっぱいな気分になります(19)。

2015/07/12 稲荷山 イボテングタケ

イボテングタケ (19)

この写真のイボテングタケはそこまで鱗片が立っていませんが、柄の基部に複数の輪状構造が見られます。

 

そんなこんなでやっと下山し終えました。

しかし最後まできのこに目を光らせ続け、植え込みの中にも目ざとくクラガタノボリリュウを見出しました(20)。

2015/07/12 稲荷山 クラガタノボリリュウ

クラガタノボリリュウ (20)

最初はナガエノチャワンタケかと思われましたが、胞子を観察した結果、本種だと決まりました。

 

こうして、伏見稲荷大社の入口に帰ってきたのはなんと午後4時。

稲荷山を少なくとも5時間は歩いていた計算になります。

参加者の皆さんは大変お疲れだったとは思いますが、その分だけ非常に多種多様なきのこを見ることができました。

やっぱり今年はきのこの調子がいいのでしょうか?

 

最後に、この他7月12日の観察会で見られたきのこの写真を掲載します。

 

オニイグチ属の一種 (21)

2015/07/12 稲荷山 オニイグチ属の一種 Strobilomyces sp.

オニイグチ属の一種 (21)

カンゾウタケ (22)

2015/07/12 稲荷山 カンゾウタケ

カンゾウタケ (22)

キアミアシイグチ (23)

2015/07/12 稲荷山 キアミアシイグチ

キアミアシイグチ (23)

ヘビキノコモドキ (24)

2015/07/12 稲荷山 ヘビキノコモドキ

ヘビキノコモドキ (24)

クロタマゴテングタケ (25)

2015/07/12 稲荷山 クロタマゴテングタケ

クロタマゴテングタケ (25)

クロニガイグチ (26)

2015/07/12 稲荷山 クロニガイグチ

クロニガイグチ (26)

ヒメコナカブリツルタケ (27)

2015/07/12 稲荷山 ヒメコナカブリツルタケ

ヒメコナカブリツルタケ (27)

カラカサタケ (28)(29)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

カラカサタケ (28)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

カラカサタケ (29)

コテングタケモドキ(30)

2015/07/12 稲荷山 コテングタケモドキ (30)

コテングタケモドキ (30)

イヌセンボンタケ (31)

2015/07/12 稲荷山 イヌセンボンタケ

イヌセンボンタケ (31)

ムラサキホウキタケモドキ (32)

2015/07/12 稲荷山 ムラサキホウキタケモドキ

ムラサキホウキタケモドキ (32)

 

酷暑の中でも観察会に参加してくださった方々、本当にありがとうございました。

これが普段の観察会であるということを考えると、充実度でいえば屈指だったのではないでしょうか。

合宿もこの調子できのこが生えてくれていたらと今から楽しみです。

 

(文/h.a., 写真/m.h., h.a.)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中