大文字山

8月2日、京都市は記録的な暑さに見舞われ、最高気温は39℃を超えました。

そんな中きのこじきは銀閣の裏山にあたる大文字山できのこを探しました。

毎年この時期に生える猛毒のきのこ、ニセクロハツが大きな目玉です。

 

まず最初に、登山口近くの斜面で、2種類のきのこを発見しました。

1つ目はクリイロイグチモドキです(1)(2)。

2015/08/02 大文字山 クリイロイグチモドキ Gyroporus longicystidiatus

クリイロイグチモドキ (1)

2015/08/02 大文字山 クリイロイグチモドキ Gyroporus longicystidiatus

クリイロイグチモドキ (2)

1枚目の写真を見ると、柄の下部に線が延びていて、その上か下かで柄の感じが違うのが分かります。

それがクリイロイグチモドキの重要な特徴の1つなのだそうです。

 

2種類目は謎のウラベニガサ属の一種です(3)。

2015/08/02 大文字山 ウラベニガサ属の一種Pluteus sp.

ウラベニガサ属の一種 (3)

その場で採っても写真で見てもいまいち何の仲間なのか判然としないようなきのこですが、胞子を観察するとウラベニガサ属の一種であることがわかりました。

このきのこについては、昨年 (2014年) 7月に行われた大阪大学生物研究会さんとの合同きのこ観察会の際に遊歩道のウッドチップからよく似たきのこが数本発見されています。

このときにも「このきのこは一体何の仲間なのか」が議論となり、あとでウラベニガサ属の一種だったことが明らかになってメンバーたちに驚きをもたらしました。

 

この2種を見終えてようやっと川沿いの登山道に入りましたが、まったく涼しさを感じません。

歩くのが億劫になるような暑さの中で次に見つけたのは同じくウラベニガサ属の一種(4)(5)。

ザラツキウラベニガサに近い種類のようです。

2015/08/02 大文字山 ザラツキウラベニガサ? Pluteus podospileus f. podospileus?

ザラツキウラベニガサ? (4)

2015/08/02 大文字山 ザラツキウラベニガサ? Pluteus podospileus f. podospileus?

ザラツキウラベニガサ?裏面 (5)

ひだの辺縁が褐色に縁どられているのが分かります。

これも言われなければウラベニガサ属の一種とは分からないようなきのこかもしれません。

また、同じく川の近くの樹下にはクロニガイグチも見られました(6)。

2015/08/02 大文字山 Tylopilus nigropurpureus

クロニガイグチ (6)

 

続いて川沿いを離れ、キイボカサタケなどを確認しながら階段を登ります(7)。

2015/08/02 大文字山 キイボカサタケ Entoloma murrayi

キイボカサタケ (7)

先月の宝ヶ池で見つかったアカイボカサタケの近縁種です。

 

さらに登ると、キヒダタケに混じってチチタケが生えていました(8)(9)。

2015/08/02 大文字山 チチタケLactifluus volemus

チチタケ (8)

2015/08/02 大文字山 チチタケLactifluus volemus

チチタケ裏面 (9)

少し古めの個体で、白い乳液や褐色のしみを確認することができました。

栃木県などで大人気の食用きのこです。

 

このほか、普段見過ごしがちなニッケイタケ(10)(11) や、ひび割れた傘表面が特徴的なミヤマベニイグチ(12) も暑さに負けずにきのこを伸ばしていました。

2015/08/02 大文字山 ニッケイタケ Coltricia cinnamomea

ニッケイタケ (10)

2015/08/02 大文字山 ニッケイタケ Coltricia cinnamomea

ニッケイタケ裏面 (11)

2015/08/02 大文字山 ミヤマベニイグチ Boletellus obscurecoccineus

ミヤマベニイグチ (12)

 

そんなとき、何やら大きなイグチが目に入ってきました。

ナガエノウラベニイグチです(13)(14)。

2015/08/02 大文字山 ナガエノウラベニイグチ Boletus quercinus

ナガエノウラベニイグチ (13)

2015/08/02 大文字山 ナガエノウラベニイグチ Boletus quercinus

ナガエノウラベニイグチ裏面 (14)

「ウラベニ」というだけあって、管孔は美しい深紅。

青変性もあり、なかなか他のきのこでは見られない独特な色合いで見る者を感心させました。

 

こうして暑い中いくつかのきのこを観察しながら千人塚に到着し、ここでいったん休憩。

この辺りでは呆れるほどたくさんのシロハツモドキや色が抜けて白っぽくなったアイタケなどのベニタケ属のきのこに加え、タマゴテングタケモドキ(15) やテングツルタケ(16)といったテングタケ属のきのこが見られました。

2015/08/02 大文字山 タマゴテングタケモドキ Amanita longistriata

タマゴテングタケモドキ (15)

2015/08/02 大文字山 テングツルタケ Amanita ceciliae

テングツルタケ (16)

 

休憩し終えるといよいよニセクロハツのスポットへ向かいました。

しかしそこにはニセクロハツの成菌はおろか残骸すら見当たらず、あるのは昨年も同じ場所で見つかったアンズタケの仲間ヒメアワタケ、そして大きなマンネンタケ(17)くらいでした。

2015/08/02 大文字山 マンネンタケ Ganoderma lucidum

マンネンタケ (17)

この状況にはメンバーも困惑しましたが、致し方ないので退却することにしました。

 

帰り道ではタマムシとカタツムリの2ショットに遭遇。

タマムシを初めて生で見た参加者もおり、皆で写真を撮りました。

 

観察会の前にはあまり降雨がなく、当日もまさに脳が融解壊死しそうなほど暑い1日でした。

目的のニセクロハツがなかったのは残念でしたが、それでも多くのきのこを見ることができました。

暑い盛りですし、そろそろきのこも一旦お休みの時期ということになるでしょうか。

皆さまも熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

 

 

(文/h.a., 写真/m.h., h.a.)

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大文字山」への2件のフィードバック

  1. はじめましてキノコに興味があり、きのこ京都で検索してここの場所をみつけたのですが、一般でも参加できますか?

    • こんにちは。
      きのこじきのこじき長をしております天ヶ瀬と申します。
      コメントありがとうございます。

      一般の方でも参加は問題ありません。
      もし入会を希望される場合は、「メインメニュー」から「About」や「FAQ」をご熟読のうえ、kinokojiki☆gmail.com (☆を@に変えてください) にメールをお送りください。

      加えて、より一般の方でも参加しやすいきのこ観察の会について紹介させていただきます。
      このホームページにもLInkがありますが、毎月1回京都市の京都御苑で「京都御苑きのこ会」が開催されています。
      御苑きのこ会は会員登録などの必要がなく、注意事項を読み、満たした上で当日いきなり行っても大丈夫なので、そちらの方がハードルが低くて楽しめるかもしれません。
      とりあえずご参考までに。

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