富士山合宿 (25日)

2015年8月、きのこじきは富士山にて合宿を行いました。

24日から26日までの3日間で、富士山の中でも別々の場所を回り、様々なきのこを観察することができました。

 

25日は、前日よりも標高が高く、2100mを数えようかというエリアでのきのこ探しとなりました。

さっそく林内に入ると、フウセンタケ属に属するオオカシワギタケ (1)やショウゲンジ (2)、ヌメリササタケ (3)などといった前日には見られなかったきのこが相次いで見つかりました。

2015/08/25 富士山 オオカシワギタケ Cortinarius saginus

オオカシワギタケ (1)

2015/08/25 富士山 ショウゲンジ Cortinarius caperatus

ショウゲンジ (2)

2015/08/25 富士山 ヌメリササタケ Cortinarius pseudosalor s.l.

ヌメリササタケ (広義) (3)

コケの隙間にはクロチチタケの姿も (4)。

2015/08/25 富士山 クロチチタケ Lactarius lignyotus

クロチチタケ (4)

ひだに傷をつけると、確かに乳液が出てきました。

傘の中央部が少しとんがっていることがある可愛いきのこです。

低地ではこのきのこに似たクロチチダマシが見られます。

 

また、林を見渡すとコメツガやダケカンバが見られ、その樹下にはそれぞれマツタケ (5)(6) やベニテングタケ (7)(8) が数本ずつ発見されました。

2015/08/25 富士山 マツタケ Tricholoma matsutake

マツタケ (5)

2015/08/25 富士山 マツタケ Tricholoma matsutake

マツタケ (6)

2015/08/25 富士山 ベニテングタケ Amanita muscaria

ベニテングタケ (7)

2015/08/25 富士山 ベニテングタケ Amanita muscaria

ベニテングタケ (8)

やはりベニテングタケは鱗片が落ちてしまっていると、一瞬「何これ?」となってしまいます。

 

そのほか、この周囲ではオオウスムラサキフウセンタケ (9)(10) やアケボノアワタケ (11)(12) もいくつか見られました。

2015/08/25 富士山 オオウスムラサキフウセンタケ Cortinarius traganus

オオウスムラサキフウセンタケ (9)

2015/08/25 富士山 オオウスムラサキフウセンタケ Cortinarius traganus

オオウスムラサキフウセンタケ断面 (10)

2015/08/25 富士山 アケボノアワタケ Leccinum chromapes

アケボノアワタケ (11)

2015/08/25 富士山 アケボノアワタケ Leccinum chromapes

アケボノアワタケ (12)

オオウスムラサキフウセンタケは肉が褐色を帯びるのが特徴です。

アケボノアワタケには根元に黄色い菌糸が見られるのが特徴で、「アワタケ」といいながら実はヤマイグチ属のきのこです。

 

朝からきのこを探して疲れたので、ここで一旦休憩しました。

食事を済ませた後は、少し下の方にある別の場所できのこ探しを再開しました。

ゆるい傾斜を下っていこうとすると、まず目についたのはアミハナイグチ (13)(14)。

2015/08/25 富士山 アミハナイグチ Boletinus cavipes

アミハナイグチ (13)

2015/08/25 富士山 アミハナイグチ Boletinus cavipes

アミハナイグチ (14)

不規則な管孔が特徴的なヌメリイグチ科のきのこです。

 

また、この日歩いた林床ではイボタケ目マツバハリタケ科のきのこが幅をきかせていました。

ケロウジ (15)(16) やクサハリタケ (17)、ニオイハリタケモドキ (18) などです。

2015/08/25 富士山 ケロウジ Sarcodon scabrosus

ケロウジ傘表面 (15)

2015/08/25 富士山 ケロウジ Sarcodon scabrosus

ケロウジ傘裏 (16)

2015/08/25 富士山 クサハリタケ Phellodon melaleucus

クサハリタケ (17)

2015/08/25 富士山 ニオイハリタケモドキ Hydnellum caeruleum

ニオイハリタケモドキ (18)

クサハリタケは漢方薬のような独特の匂いがします。

本家ニオイハリタケは甘い杏仁風の匂いがするのですが、今回見つけたニオイハリタケモドキは無臭であるという違いがあります。

このきのこがニオイハリタケモドキだと決まったときには、そのあと本家を見ることになるとは思いもしませんでした。

 

ハクサンアカネハツの老菌 (19) を見たあとこの林を後にし、さらに少し歩いたところにあるポイントに移動しました (20)。

「コメツガは可愛い (21)」「ブナは威厳がある」というような会話を交わしながら傾斜を上り下りし、林床に目を凝らします。

2015/08/25 富士山 ハクサンアカネハツ (仮称) Russula paludosa

ハクサンアカネハツ (仮称) の老菌 (19)

2015/08/25 富士山

(20)

2015/08/25 富士山 コメツガ Tsuga diversifolia

コメツガ (21)

そんな移動のさなか、ふと傾斜の上を見上げると黄色いきのこが大群生していました。

まだ見ぬきのこかと思い頑張って傾斜を登ってみると、それらは何ということはない黄色いクサハツの仲間で、せっかくなので皆でクサハツ系の匂いを体験しました。

肩を落とすメンバーたちでしたが、よく見ると群生の少し向こう、木々に隠れたところに何やら別の黄色いベニタケ属のきのこがあるではありませんか。

ニシキタケでした (22)(23)。

2015/08/25 富士山 ニシキタケ Russula aurea

ニシキタケ (22)

2015/08/25 富士山 ニシキタケ Russula aurea

ニシキタケ傘裏 (23)

オレンジ色の傘と黄色みを帯びた肌が美しい、ベニタケ属のきのこです。

 

ニシキタケを見たあと、間もなく道なき林を出て道に入りました。

この小道の脇では、綺麗なハクサンアカネハツの子実体 (24)(25) や小ぶりなオオカシワギタケ (26) 、ベニハナイグチの幼菌 (27) を見つけることができました。

2015/08/25 富士山 ハクサンアカネハツ (仮称) Russula paludosa

ハクサンアカネハツ (仮称) (24)

2015/08/25 富士山 ハクサンアカネハツ (仮称) Russula paludosa

ハクサンアカネハツ (仮称) 裏面 (25)

2015/08/25 富士山 オオカシワギタケ Cortinarius saginus

オオカシワギタケ (26)

2015/08/25 富士山 ベニハナイグチ Suillus spraguei

ベニハナイグチ (27)

 

しかし、ベニハナイグチを見終わると、雨が少しずつ強まってきたばかりか、霧も深くなってきました (28)。

2015/08/25 富士山 霧

富士山の霧 (28)

そこで引き返すことにし、来た道を戻ろうとすると、ちょうどそこでヤグラタケを発見しました (29)。

2015/08/25 富士山 ヤグラタケ Asterophora lycoperdoides

ヤグラタケ (29)

ヤグラタケは、クロハツなどの古くなった個体の上から出るきのこで、成熟すると傘の上からは無性胞子を出します。

それと関連するのか、ヤグラタケのひだは満ち満ちて退縮しているようにも見えます。

傘の下でちゃんと有性胞子を作っているのかどうなのかなど、個人的にはけっこう気になるきのこです。

 

そのほか、帰り際にはヤマブキハツも見られました (30)。

2015/08/25 富士山 ヤマブキハツ Russula ochroleuca

ヤマブキハツ (30)

雨で結構色落ちしているようです。

このあと一行は強くなった雨に見舞われながらも無事下山し、夕食に名物のほうとうを食べて気力を養いました。

 

この日は日程的にも「本番」のきのこ探しになったわけですが、マツタケやベニテングタケ、ニシキタケが見られたりと、十分に楽しいきのこ観察になったと思います。

その分帰り際には多くの参加者が疲労困憊といった感じでしたが……

 

 

(文/h.a., 写真/m.h., h.a. )

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