大文字山

10月10日、大文字山できのこ観察会を行いました。

今年3回目となる大文字山での観察会ですが、今回は過去2回と異なるルートできのこを探しました。

最後に雨が降ったのが10日ほど前だったので、果たしてきのこが生えているかどうか心配しながらの探索となりました。

 

その心配とは裏腹に、ルートに入る前にはチチタケやイタチタケの仲間を確認でき、またルートにやや入ってからもチシオタケやツチナメコを見ることができました。

そのまま人通りも少なくすれ違いもない道を進んでいると、きのこじきではあまりお目にかからないきのこが見つかりました。

キナコハツです (1)。

2015/10/10 大文字山 キナコハツ Russula ballouii

キナコハツ (1)

柄の下部が黄粉を被ったように黄色くなっています。

別名を「ウコンクサハツ」とも言うようですが、クサハツとはそこまで近縁ではないようです。

さらに進むと、道のそばで斜めに横たわった倒木からツキヨタケが生えていました (2)。

2015/10/10 大文字山 ツキヨタケ Omphalotus japonicus

ツキヨタケ (2)

カキシメジやクサウラベニタケの仲間とともに日本における毒きのこの「御三家」に数えられるこのきのこ。

ヒラタケムキタケシイタケなどとの誤食による中毒が大変に多く、注意が必要な毒きのこです。

しかしよく観察すると、子実体の基部を見ればリング状の構造があり、また多くの場合は割ると基部に黒い染みが見られるなど、同定に困るほど特徴がないわけではありません。

 

その近辺では今話題のカエンタケも見つかりました (3)。

2015/10/10 大文字山 カエンタケ Podostroma cornu-damae

カエンタケ (3)

といっても老菌も老菌で、とても通報に堪えるような子実体ではありません。

このほか、この道を下っていく途上でアイカワタケも見つかりました (4)。

2015/10/10 大文字山 アイカワタケ Laetiporus versisporus

アイカワタケ (4)

マスタケなどと同属のきのこです。

 

その後ややあって滝の近くに到着し、お昼休憩を取りました。

それから滝の近くに下りると、そこでも色々なきのこに出会いました。

まずはヒイロチャワンタケ (5)。

2015/10/10 大文字山 ヒイロチャワンタケ Aleuria aurantia

ヒイロチャワンタケ (5)

ヒイロチャワンタケの上に架かった枝にはエゴノキタケも (6)(7)。

2015/10/10 大文字山 エゴノキタケ Daedaleopsis styracina

エゴノキタケ (6)

2015/10/10 大文字山 エゴノキタケ Daedaleopsis styracina

エゴノキタケ (7)

半背着生の硬質菌で、そのひだは迷路状になっているのが特徴です。

また、このきのこはエゴノキ属の木の枝にしか生えません。

そのすぐそばにはチャコブタケも見つかりました (8)。

2015/10/10 大文字山 チャコブタケ Daldinia concentrica

チャコブタケ (8)

ナイフで割ってみると、その断面にはきれいな環紋が観察できました。

 

これら以外にも、この滝の近辺ではクサミノシカタケ(9)(10)などいくつかのウラベニガサ属のきのこも視界に入ります。

2015/10/10 大文字山 クサミノシカタケ Pluteus petasatus

クサミノシカタケ (9)

2015/10/10 大文字山 クサミノシカタケ Pluteus petasatus

クサミノシカタケ (10)

傘表面が白っぽく、ささくれやすいのが特徴です。

 

滝から離れ、路傍のツガサルノコシカケなどを見ながら先に進みます (11)。

2015/10/10 大文字山 ツガサルノコシカケ Fomitopsis pinicola

ツガサルノコシカケ (11)

すると、その道の先では何やら白くてすっと伸びたきのこが見えました。

アケボノドクツルタケです (12)。

2015/10/10 大文字山 アケボノドクツルタケ Amanita subjunquillea var. alba

アケボノドクツルタケ (12)

今年は富士山合宿では本家ドクツルタケ、長野合宿ではニオイドクツルタケを見ることができましたが、このアケボノドクツルタケもまたドクツルタケと混同されてきたきのこの1つです。

ニオイドクツルタケとはKOHの水溶液を垂らすと黄変するという点で異なり、観察会の後にも実際に水溶液に接触して傘がレモンイエローになってしまったアケボノドクツルタケを皆で観察しました。

 

この後は大文字山の火床に上がり、京都市街を眺めながら休憩を取りました。

体を癒したら、あとは下るだけです。

火床から下っていく道にもきのこは見つかり、中でもクチベニタケの登場は終盤ながら参加者を盛り上げてくれました (13)。

2015/10/10 大文字山 クチベニタケ Calostoma japonicum

クチベニタケ (13)

しっかりと口元をお化粧していますね。

この赤い亀裂から胞子を飛ばすのです。

 

最後はメンバーの1人が事前に見つけていたナラタケスポットに移動。

到着すると、残念ながら食べごろな成菌はなく、幼菌がある程度顔を出しているくらいでした (14)。

2015/10/10 大文字山 ナラタケ (広義) Armillaria mellea s.l.

ナラタケ (広義) (14)

そしてここでは意外にもエノキタケが見つかり、その野性味あふれる姿や鉄臭さを体験しました。

と、このあたりで蚊が参加者を苦しめはじめたので退散。

帰り道ではヒラタケをいくつか採集し、夕飯に備えました。

 

アフターでは、この日取れた少数の食用きのこを入れたおいしい鍋を作りました。

食べ終わってから数時間後、採取したのをすっかり忘れていたツキヨタケのことを思い出して引っ張り出し、明かりを消してその光り具合を確かめてみると、きのこに詳しいメンバーも驚くほど緑に光りました。

大文字産のツキヨタケの光る実力はまだまだ未知数のようです。

 

 

(文/h.a. 写真/m.h.)

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