宝ヶ池

10月24日、京都市街有数の湿り気スポット、宝ヶ池できのこを探しました。

例年であれば、ハツタケアカハツヌメリイグチなどきのこじきの秋の味覚を収穫できる場所です。

しかし今年はこの観察会まで実に約3週間雨が降っておらず、不安感漂う幕開けとなりました。

 

歩き始めてすぐにウスムラサキフウセンタケを見つけることはできましたが、子実体はすでにボロボロ。

やはり硬質菌以外に望みをかけるのは難しい状況なのでしょうか。

硬質菌としては、池の周りのアカマツやサクラの木からそれぞれヒトクチタケやカワウソタケ (1) が生えているのを見ることができましたが、どちらも往時の姿をとどめているのは一部の子実体だけでした。

2015/10/24 宝ヶ池 カワウソタケ Inonotus mikadoi

カワウソタケ (1)

予想通り「秋の味覚」は厳しいか、と思っていたその時、メンバーの1人が池のほとりで見つけてくれました。

ヌメリイグチです (2)。

2015/10/24 宝ヶ池 ヌメリイグチ Suillus luteus

ヌメリイグチ (2)

つばの有無や柄の粒点などから、近縁種のチチアワタケと区別できます。

このそばでは傘表面の大部分がナメクジに食べられたハツタケも見つかり、参加者に希望を持たせてくれました。

 

さらに池の周りを回ると、石垣の上に表面の白い腹菌類が。

最初は遠目に何かな?と思っていましたが、ナイフで切って断面を見てみると、その正体は歴然としていました。

シラタマタケというきのこです (3)。

2015/10/24 宝ヶ池 シラタマタケ Kobayasia nipponica

シラタマタケ (3)

スズメバチが好むという噂もあるこのきのこ。

スッポンタケ目に分類されています。

内部を見てみると、中心部の空洞とぎゅうぎゅうに詰まったグレバが確認できます。

雨の少なさからか、中身もやや乾燥しているようでした。

 

ヌメリイグチはいくらか見つかる池の周囲でしたが、やはりきのこは低調のようです。

池の周囲から少し離れてきのこ探しを継続すると、材の陰にウラベニガサを発見 (4)。

2015/10/24 宝ヶ池 ウラベニガサ Pluteus cervinus

ウラベニガサ (4)

ウラベニガサを観察したあとは、昨年10月の観察会でたくさんのコガネタケを見つけたポイントに移動しました。

乾いた地面の上を探してみると、やはりいくつかの子実体は待っていてくれました (5)(6)。

2015/10/24 宝ヶ池 コガネタケ Phaeolepiota aurea

コガネタケ (5)

2015/10/24 宝ヶ池 コガネタケ Phaeolepiota aurea

コガネタケ (6)

一応食用のきのこですが、調理の仕方によっては中毒するようです。

きなこのような粉が傘表面を中心にきのこを覆っているのが特徴です。

 

この付近では、他にもこんなものも。

マンジュウドロホコリという生き物です (7)。

2015/10/24 宝ヶ池 マンジュウドロホコリ Reticularia lycoperdon

マンジュウドロホコリ (7)

マンジュウドロホコリは「変形菌」というグループの一種で、かつては「粘菌」という言葉でくくられて菌類として扱われていました。

しかし、近年の研究により菌類とはまったく違うグループの生き物であったことが分かったため、現在では菌類ではなくなっています。

その表面を触ってみるとぶにぶにしていて、本当にお饅頭みたいです。

この珍妙な生き物と初めてエンカウントしてしまった参加者たちは、皆その触感に驚きの声を上げていました。

 

加えて、クジラタケ (8) やシハイタケ、カイガラタケといった硬質菌もじっくり観察しました。

2015/10/24 宝ヶ池 クジラタケ Trametes orientalis

クジラタケ (8)

これらは一々指摘しないだけで本当にどこにでもあるきのこなのですが、こういう他のきのこがない時にしか話題に上らないのです。

このポイントで、メンバーたちは時間の許す限り硬質菌を眺めました。

 

帰りは池の周囲に戻ってもう半周。

ちらほらと姿を見せるヌメリイグチを採集しながら、他のきのこを探します。

こうしてこの日最後のきのことなったのはコタマゴテングタケでした (9)。

2015/10/24 宝ヶ池 コタマゴテングタケ Amanita citrina var. citrina

コタマゴテングタケ (9)

黄色みを帯びたつばが特徴的なテングタケ属のきのこです。

 

池を一周してきのこ観察を終えた後は、昨年同様に京都府立植物園で開催されていた「きのこ展」へ。

近畿以外からもきのこが持ち込まれて不作の近畿を補完し、今年も様々なきのこを観察することができました。

 

アフターでは、この日採集できたヌメリイグチをおろし和えに (10)。

2015/10/24 ヌメリイグチのおろし和え

ヌメリイグチのおろし和え (10)

美味しい料理をいただきました。

 

あとはまとまった雨が降ってくれれば最高なのですが……

 

 

(文/h.a. 写真/m.h., h.a.)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中