芦生演習林

11月14日、また今年も芦生にきのこを探しに行ってきました。

きのこじきにおける晩秋の一大イベントです。

 

ちょうど1週間前まで京都近辺は少雨にあえいでいましたが、そこからはいきなりまとまった雨が降り始めました。

そして当日もあいにくの雨の予報……だったのですが、現地到着時には雨は止んでくれていました (1)。

2015/11/14 芦生演習林

芦生演習林付近 (1)

自己紹介を済ませて歩きはじめると、いきなりメンバーの1人が巨大なマメザヤタケを発見しました (2)。

2015/11/14 芦生演習林 マメザヤタケ Xylaria polymorpha

マメザヤタケ (2)

大きさの比較対象がないので分かりにくいですが、メンバーたちは口々に「こんな大きいのは見たことない」と言い合っていました。

 

少し歩きだせば、道端ではヌメリイグチ (3) やシモコシ (4)、ツチグリ (5) がお出迎え。

今回は久々に観察会へ来てくれた参加者もいましたが、これら様々な姿形をとるきのこたちに興味深々といった感じです。

2015/11/14 芦生演習林 ヌメリイグチ Suillus luteus

ヌメリイグチ (3)

2015/11/14 芦生演習林 シモコシ Tricholoma auratum

シモコシ (4)

2015/11/14 芦生演習林 ツチグリ Astraeus sp.

ツチグリ (5)

シモコシは食用とされてきたきのこでしたが、海外で類似種による中毒死が報告されたため、現在は食べてはいけないきのこになっています。

きのこの柄や肉の部分は白く、この点で現在同じく毒きのこ扱いとなった近縁種・キシメジと区別することができます。

キシメジの柄や肉は黄色いのです。

 

数十分歩いてようやく林内に入ると、クリタケなどいくつかのスギタケ属のきのこを確認することができます。

そんななか、ふと足元を見たスギの樹下で、可愛らしいコチャダイゴケも見つかりました (6)。

2015/11/14 芦生演習林 コチャダイゴケ Nidula niveotomentosa

コチャダイゴケ (6)

中の粒々に胞子をため込んでおり、雨粒が当たると弾けて胞子を散布するきのこです。

こんな見た目ですが、実はハラタケ科に属しているようです。

 

雨を心配しながらの行軍はまだ続きます。

路傍に目をやると、アカチシオタケやムラサキゴムタケ、ツキヨタケの微小な幼菌などが観察でき、「芦生に来たんだなあ」感を強くしてくれます。

これらを観察し終えて先を急ごうとしたそのとき、目の前に現れたのはこの日の二大主役でした。

ナメコ (7) とオソムキタケ (8) です。

2015/11/14 芦生演習林 ナメコ Pholiota microspora

ナメコ (7)

スーパーに売ってあるナメコしか見たことのない人にとっては、このように傘の開いたきのこがナメコだとはなかなか信じられないのではないでしょうか。

しかしそのきのこは柄まで隠しきれないほど滑っており、ナメコであることを強く感じさせてくれます。

2015/11/14 芦生演習林 オソムキタケ Sarcomyxa serotina

オソムキタケ (8)

オソムキタケは、以前は「ムキタケの緑色タイプ」としてムキタケと一緒くたにされていたきのこです。

しかし、近年の研究によりムキタケとは別種ではないかと言われるようになりました。

ムキタケとはまず傘表面が濃い緑色である点が異なり、また柄に見られる鱗片に関しても、ムキタケが白い綿毛状なのに対して本種は緑色、というように細かい違いがあるようです。

 

二大主役の登場に、俄然舞台は盛り上がってきました。

もうすこし歩いたところでは、大量のナメコの幼菌も見つかりました (9)。

2015/11/14 芦生演習林 ナメコ Pholiota microspora

ナメコ (9)

こっちの方が皆さんが「ナメコ」といって想像するものに近そうですね。

また、小川に架かる倒木にはヒラタケの姿も (10)。

2015/11/14 芦生演習林 ヒラタケ pleurotus ostreatus

ヒラタケ (10)

晩秋から冬にかけての食用きのこが勢ぞろいといった感じです。

このほか、付近ではシラウオタケも見られました (11)。

2015/11/14 芦生演習林 シラウオタケ Multiclavula mucida

シラウオタケ (11)

これもコチャダイゴケと同様、到底きのこには見えないかもしれませんが、れっきとしたアンズタケ目のきのこです。

 

さらにもうしばらく先に進み、ニガクリタケあふれる広場でお昼の休憩を取ります。

天気予報に反してここまで雨は降っておらず、広場で安穏と休憩ができたことはまさに僥倖でした。

 

休憩後に見て回った場所ではまたナメコのシロが (12)。

2015/11/14 芦生演習林 ナメコ Pholiota microspora

ナメコ (12)

参加者がナメコの採集に力を注ぐなか、同じ倒木の裏側ではメンバーが別のきのこを見つけ、掘っていました。

クチキツトノミタケ。冬虫夏草の一種です (13)。

2015/11/14 芦生演習林 クチキツトノミタケ Ophiocordyceps stylophora

クチキツトノミタケ (13)

キマワリなどの幼虫から出るきのこなんだとか。

木くずを取り除き、根元を綺麗にしていくと…… (14)

2015/11/14 芦生演習林 クチキツトノミタケ Ophiocordyceps stylophora

クチキツトノミタケ (14)

宿主の虫が姿を現しました。

 

と、ここでついに堰を切ったように雨が降り始めます。

メンバーたちは皆、逃げるように駐車スペースまで戻りました。

 

駐車スペースに着くと雨はいくぶん弱くなっており、帰り際にオソムキタケスポットに寄ってかさ増しを敢行。

総計すると実にビニール袋2つ分のナメコと1つ分のオソムキタケが採集でき、本当に実りある観察会になりました。

アフターではナメコを味噌汁に入れたり丸焼きにしたりおろし和えにしたりと、様々な形で楽しみました。

 

今年の秋は本当に少雨だったので芦生でナメコが見られるかハラハラドキドキでしたが、蓋を開けてみればたくさん生えていてよかったです。

 

 

(文/h.a., 写真/m.h., h.a.)

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