富士山

5月14日、15日と土日を利用して、きのこじきのメンバー数人と富士山麓へきのこ観察に行きました。狙いはアミガサタケの仲間をはじめとする春の子嚢菌たちです。

14日

朝、河口湖に到着し、林道を登ってきのこが生えていそうなポイントを探します。

標高1300m付近でいったん車を止め、あたりを歩いてみることにしました。林道沿いの斜面を眺めてみると、さっそくお目当てのひとつが見つかりました。シャグマアミガサタケ (1) です。

2016/05/14 富士山 シャグマアミガサタケ Gyromitra esculenta

シャグマアミガサタケ (1)

さらに少し道を進むとマルアミガサタケが、こちらも道沿いの斜面から顔を出していました (2)。アミガサタケの亜種とされているきのこです。

2016/05/14 富士山 マルアミガサタケ Morchella esculenta var. rotunda

マルアミガサタケ (2)

向かい側の斜面を見てみると、こちらにはいわゆるブラックモレルが群生していました。 オオトガリアミガサタケと呼ばれるタイプでしょうか (3)。トガリアミガサタケ周辺の分類はわかっていないことが多いようです。

2016/05/14 富士山

オオトガリアミガサタケ ? (3)

ウラジロモミの植林地ではキチャワンタケも発生していました (4)。鮮やかなオレンジ色と傷ついて変色した青色が目を引きます。

2016/05/14 富士山 キチャワンタケCaloscypha fulgens

キチャワンタケ (4)

この周辺での散策はいったん終了し、林道を奥に進みます。次は標高1800m付近を歩くことにします。

こちらはやや乾燥気味でしたが、道端でトガリアミガサタケの群生を発見しました (5)。

2016/05/14 富士山 トガリアミガサタケ Morchella conica

トガリアミガサタケ (5)

日当たりのいい斜面を登ってみると、見慣れないアミガサタケの仲間が見つかりました (6)。

2016/05/14 富士山 アミガサタケ属の一種 Morchella sp.

アミガサタケ属の一種 (6)

少し場所を移して、林の中に入ったり、道端を歩いたりしながらきのこを探します。すると、道沿いの少し日当たりのよさそうな場所で、再びシャグマアミガサタケと出会うことができました (7)。こちらは先ほどのものよりも頭部が黒っぽく、しわも多く入っていて図鑑でよく見る形に近いように感じます。

2016/05/14 富士山 シャグマアミガサタケ Gyromitra esculenta

シャグマアミガサタケ (7)

よく探してみると、この周辺の道沿いではたくさんのシャグマアミガサタケが見つかりました。大型のものがほとんどで、手に取ってみると重量感があります。ほぼすべてが日当たりのよい林縁部に発生していました。

断面を見てみると中空ですが、特に柄は比較的内部まで肉が詰まっている様子がわかります (8)。

シャグマアミガサタケ断面

シャグマアミガサタケ断面 (8)

シャグマアミガサタケに交じり、一本だけヒロメノトガリアミガサタケも見ることができました (9)。縦に長い網目が独特です。

2016/05/14 富士山 ヒロメノトガリアミガサタケ

ヒロメノトガリアミガサタケ (9)

この後は麓に向かい、青木ヶ原樹海を散策してから宿に向かいました。

15日

この日は車で南にまわり、駐車場から続いている遊歩道を散策します。

ウラジロモミの植林地では、地面に落ちたモミの果鱗 (球果のうろこ状の部分) からチャワンタケの仲間が発生していました。マツカサチャワンタケです (10)。クワの実から生えるキツネノワンと同属のきのこです。

2016/05/15 富士山 マツカサチャワンタケ Ciboria rufofusca

マツカサチャワンタケ (10)

モミ林を抜けるとブナの林が広がります。ブナの殻斗が落ちていたので注意深く見てみると、やはり、ありました。ブナノシロヒナノチャワンタケです (11)。直径3mmにも満たないようなきのこですが、茶碗の裏側と柄はしっかりとした剛毛に覆われているのがわかります。

2016/05/15 富士山 ブナノシロヒナノチャワンタケ Dasyscyphella longistipitata

ブナノシロヒナノチャワンタケ (11)

きのこだけでなく、さまざまな植物も目を楽しませてくれます。ヤマシャクヤク (12) やニリンソウが美しく咲いている一方、寄生植物であるヤマウツボ (13) も花をつけていました。

ヤマシャクヤク (12)

ヤマシャクヤク (12)

ヤマウツボ (13)

ヤマウツボ (13)

遊歩道を奥まで進むと、苔むした倒木の上にキイロスッポンタケが立っていました (14)。緑色のグレバの下から鮮やかな黄色がのぞいています。

2016/05/15 富士山 キイロスッポンタケ Phallus costatus

キイロスッポンタケ (14)

ルートを一周するように歩いていくと、周りの環境はブナ林、モミ林、ヒノキ林というようさまざまに変化し、色々なきのこと出会うことができました。

大木の割れ目からはナラタケが群生しており (15)、落ち枝からはアミヒラタケが発生しています (16)。道端ではところどころにキイロスッポンタケが (17)。日当たりのいいところにはアミガサタケやヒロメノトガリアミガサタケがちらほらと見られましたが、どれも少し古くなっていました。

2016/05/15 富士山 ナラタケ(広義) Armillaria mellea s.l.

ナラタケ (広義, 15)

2016/05/15 富士山 アミヒラタケ Polyporus squamosus

アミヒラタケ (16)

2016/05/15 富士山 キイロスッポンタケ Phallus costatus

キイロスッポンタケ (17)

駐車場に戻ってあたりを探索してみると比較的状態のいいアミガサタケが見つかりました (18)。

2016/05/15 富士山 アミガサタケ Morchella esculenta

アミガサタケ (18)

さらに、駐車場のすぐ横では大きなヒロメノトガリアミガサタケも (19)。中には20cmを優に超すような大物もあり、最後に皆を楽しませてくれました。

2016/05/15 富士山 ヒロメノトガリアミガサタケ

ヒロメノトガリアミガサタケ (19)

この後は北麓まで戻り、少しだけ観光をして、夜行バスで京都まで戻りました。

春の富士山は予想以上にきのこが多く、存分に楽しむことができました。

 

(m.h.)

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