吉田山・大文字山

10月の1日と2日、個人的に近所の林へ出かけました。9月下旬は雨の日が多かったことから多少の期待を持って山へ入りましたが、想像以上に多くのきのこを見ることができました。

1日 吉田山

昨晩からの雨も上がり、普段の観察会と同じルートできのこを探し始めます。

いつもの場所にニガクリタケが群生していました (1)。きれいな株だったのでカメラを向けます。

2016/10/01 吉田山 ニガクリタケ Hypholoma fasciculare

ニガクリタケ (1)

少し登ると見慣れないイグチが10本ほど発生していました。サザナミイグチです (2, 3)。

サザナミイグチ (2)

サザナミイグチ (2)

サザナミイグチ裏面 (3)

サザナミイグチ裏面 (3)

滋賀県ではじめに報告されたきのこで、名前の「サザナミ」は「滋賀」にかかる枕詞からとられています。一見特徴が無いように見えますが、傷つけても青変せず緩やかに濃い黄色に変色する点や、柄に網目がなく黄色地に赤褐色のしみがでる点が同定ポイントでしょう。

ここからは菌根菌の姿が多くなってきます。

ヤマドリタケモドキムラサキヤマドリタケ、クロチチダマシ (4) 、コテングタケモドキといった夏の定番に加え、緑とピンクが鮮やかなフタイロベニタケ (5) 、秋を感じさせるカキシメジ (広義, 6) なども見られます。

クロチチダマシ (4)

クロチチダマシ (4)

フタイロベニタケ (5)

フタイロベニタケ (5)

カキシメジ (広義, 7)

カキシメジ (広義, 6)

シイやカシの多いエリアに移動すると、大型の白いテングタケが見つかりました。

まずは、ササクレシロオニタケ (7)。

ササクレシロオニタケ (7)

ササクレシロオニタケ (7)

柄のささくれは見事としか言いようがありません。

お次は、毎年決まって姿を見せるミヤマタマゴタケの仲間 (8)。

ミヤマタマゴタケ近縁種

ミヤマタマゴタケ近縁種 (8)

大きな袋状のつぼが特徴で、高さは30 cm程になることも珍しくありません。「ハマクサギタマゴタケ」と仮称されているものと同種であると思われます。

山頂へ登り、アカマツの根元に目を向けるとムラサキナギナタタケが (9)。

ムラサキナギナタタケ (9)

ムラサキナギナタタケ (9)

落葉がたまった少し暗い場所にはウスキモリノカサ (10)。

ウスキモリノカサ (10)

ウスキモリノカサ (10)

山頂から下る雑木林ではシワチャヤマイグチ (11)。

シワチャヤマイグチ (11)

シワチャヤマイグチ (11)

カレバハツやウスムラサキハツ、様々なテングタケの仲間など夏を思わせるきのこが並びます。

そして最後に立派なアカヤマドリ (12)。

アカヤマドリ (12)

アカヤマドリ (12)

少しの時間でしたが、予想以上に多くの、そして見応えのあるきのこを見ることができた散策でした。

 

2日 大文字山

翌日、今度は大文字山へ登ることにしました。前日の成果もあり、期待が膨らみます。

雑木林の斜面を歩いていると、吉田山でもよく見たウスムラサキハツが多く見られます (13)。

ウスムラサキハツ (13)

ウスムラサキハツ (13)

地上にはベニヒガサやキソウメンタケといった小型のきのこがびっしりと発生していました。

倒木からはミドリスギタケ (14)。名前の由来になった緑色のシミが観察できます。

ミドリスギタケ (14)

ミドリスギタケ (14)

ここまではあまりきのこの種数も多くありませんでした。しかし、普段はやや乾燥している尾根に登ってみると、菌根菌の種数が一気に増えてきました。

まず目に入ったのはクロラッパタケ (15)。暗い色のきのこですが、苔の上だと写真映えがしますね。

クロラッパタケ (15)

クロラッパタケ (15)

こちらはテングタケ属の一種。大きく膨らんだつぼの形から、コタマゴテングタケに近い仲間のように思われます。

テングタケ属の一種 (16)

テングタケ属の一種 (16)

アカマツが多いエリアではアカイボカサタケキイボカサタケに加え、クサウラベニタケ (広義, 17) の姿も多く見られました。

クサウラベニタケ (17)

クサウラベニタケ (広義, 17)

尾根の途中で横にそれ、雑木林の斜面を登ったり下りたりしながらきのこを探します。すると、見応えのある菌根菌がおもしろいように見つかりました。

はじめに、カバイロツルタケ (18)。これぞ、というような美しい子実体がいくつも並んでいました。

カバイロツルタケ (17)

カバイロツルタケ (18)

柄に立派な網目をもつこの幼菌はホオベニシロアシイグチ (19)。肉に酸味がありますが、ゆがいてわさび醤油につけていただくと、風味も食感もなかなかよいものになると思います。

ホオベニシロアシイグチ (18)

ホオベニシロアシイグチ (幼菌, 19)

こちらはニオイドクツルタケ (20)。とても美しい子実体でしたが、傘についた落葉をのけるときに表皮がめくれてしまいました。

ニオイドクツルタケ (19)

ニオイドクツルタケ (20)

これもまたテングタケの仲間。黄色い変色と特徴的な甘い不快臭があることから、キウロコテングタケでよいでしょう (21)。

キウロコテングタケ (21)

キウロコテングタケ (21)

コトヒラシロテングタケも (22)。こちらも独特の不快な臭気を持つきのこです。

コトヒラシロテングタケ (23)

コトヒラシロテングタケ (22)

先ほどのクサウラベニタケによく似たきのこですが、傘に繊維状の模様が確認できます。また、手に持つとずっしりとした重みを感じます。ウラベニホテイシメジです (23)。手前の幼菌に特徴的な「指で押したような」紋が見えますね。

ウラベニホテイシメジ (23)

ウラベニホテイシメジ (23)

千人塚に出ると、アカヤマドリの幼菌が列をなしていました。周辺の開けた雑木林を見てみると、ムラサキフウセンタケ (24) やコガネテングタケ (25) が見つかりました。どちらも独特の色合いをした、印象的なきのこです。

ムラサキフウセンタケ (23)

ムラサキフウセンタケ (24)

コガネテングタケ (25)

コガネテングタケ (25)

ここからは山を下ります。途中、見事なシロテングタケの群生に出会いました (27, 28)。白い傘からたれ下がる茶色い被膜が特徴的です。

シロテングタケ (27)

シロテングタケ (27)

シロテングタケ裏面 (28)

シロテングタケ裏面 (28)

麓に近いシイ林ではシロクロハツが足の踏み場もないほどに大群生していました (29)。

シロクロハツ (29)

シロクロハツ (29)

 

某所

この時点ですでに大満足ではありましたが、少し心当たりがあったので、下山後、とある森へ向かいました。

すると、やはり、ありました。シイの根元からマイタケが重なり合うように出ています (30)。

マイタケ (30)

マイタケ (30)

少し離れたところにももう一本、根元にマイタケが何株も発生した木がありました (31)。こちらはまだ若い株が多いようです。

マイタケ (31)

マイタケ (31)

 

このように、2回の散策で非常に多くのきのこを見ることができました。そのなかには、今まで近場では見る機会の少なかった種類も多く含まれています。すぐ近くの山であっても、まだまだ分からないことばかりですね。

(m. h.)

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