ヒイロタケ Pycnoporus coccineus

ヒイロタケ Pycnoporus coccineus

広葉樹の倒木に発生する、京都ではごく普通にみられるきのこ。白色腐朽菌。
類似種にシュタケ(Pycnoporus cinnabarinus)があるが、寒冷地に分布すること、管孔が大きいことなどで本種と区別できる。

鮮やかな色をしており、きのこ染めに用いられることもある。
本菌の暗赤色色素として、シンナバリン酸(cinnabarinic acid; 1)が同定されている。

1は、トリプトファン(2)からキヌレニン経路を介して生合成される(Scheme 1)。最後の二量体化反応はラッカーゼが触媒する[1]。
なお、本菌由来のラッカーゼは、脱リグニン処理や色素廃液処理、バイオレメディエーションなどの応用を目指し、広く研究されている。

kynurenine pathway

Scheme 1: kynurenine pathway. 2: L-tryptophane, 3: N-formyl-L-kynurenine, 4: L-kynurenine, 5: 3-hydroxy-L-kynurenine, 6: 3-hydroxyanthranilic acid

 

また、ヒイロタケやカワラタケなどから、4-ヒドロキシメチルキノリン(7)が抽出されている[2]。
キノリン骨格をもつ微生物由来の天然化合物はあまり知られておらず、その生合成経路の解明が期待されている。
なお、7は抗マラリア薬の一種である(-)-mefloquine塩酸塩(8)の部分骨格を有している[3]。

 

Reference

[1] F. Fazio et al. (2012) Mol. Pharmacol. 81: 643–656
[2] W. R. Abrahamand G. Spassov (1991) Phytochemistry30 (1): 371– 372
[3] C. M. Trenholme et al. (1975) Science190 (4216): 792-794.

 

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